「涅槃(ねはん)」とは、古代インド語でニルバーナといい、「吹き消すこと」を意味します。
燃えさかる煩悩の火を吹き消し、悟りを開いた状態のことです。
非常に静寂な状態から「涅槃寂浄(ねはんじゃくじょう)」ともいわれます。
お釈迦様の入滅(亡くなられたこと)を表す言葉としても使われ、
一般には、死後の世界を指す言葉としても使われます。
ぐるぐると生死(しょうじ)を繰り返し、生まれ変わり死に変わって存在し続ける状態をいい、迷いの状態とされます。
このぐるぐると回り続ける迷いの輪廻から解き放たれ(解脱・げだつ)、絶対の安楽である涅槃の状態を目指します。
死後、輪廻して生まれ変わることを、輪廻転生(りんねてんしょう)といいます。
迷いの世界(輪廻)から、悟りの世界(涅槃)へ開放されること。解き放たれること。悟ること。
生まれ変わる先として、六つの道があることから、六道輪廻(ろくどうりんね)といいます。
生前の行いによって、次の六つのうちどれかに生まれ変わるとされます。
◆天 優れた楽を受けるが、なお苦を免れない。求めるものはすべてみたされた
最高の状態.。 しかしそこにもなお苦がつきまとう。
◆人間 堕落することもできるし悟ることもできる。そういう中間的な存在。
地獄と仏の間、人と人との間、生と死の間。
◆阿修羅 嫉妬心が強く、常に不安が付きまとい戦いばかりやっている状態。
◆畜生 互いに他を餌食として生成長し、自分のことしか見えない状態。
◆餓鬼 飲食が得られないために苦の止む時がない。
◆地獄 生存自体が苦であるという究極の状態。
★涅槃の境地は、ロウソクの火を
ふっと吹き消した時の静寂に
例えられます。
★この、六道輪廻から救ってくださる仏さまが
かの有名な「六地蔵」です。
この絵では、5人しかいませんけどね。