仏さまのおはなし会 平成16年2月24日


今回のおはなし会は、「暦(こよみ)」について考えてみました。

普段、なにげに使っている十二支、自分の生まれ年(ちなみに私は丙午です)、お葬式をしない唯一の日「友引」、土用の丑の日のうなぎ、などなど調べてみました。

実は、新年に入り、早々に暦のお話を取り上げようと思ったのですが、ふたを開けてびっくり仰天!とにかく複雑なのです。

「暦」は、甲乙丙丁のいわゆる「十干」と、子丑寅卯の「十二支」、さらには古代中国陰陽五行説とがからみあい、一瞥では到底理解できない複雑さを持ち合わせています。

おはなし会に参加されている方々は、「こよみ」のことなど常識の範疇かなあ、と恐る恐る聞いてみたのですが、みなさんよく知らなかったようで、身近な話題だけに、とにかくにぎやかな会となりました。



いくつか暦を知るページを貼り付けておきました。

http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/sub/doyou.htm
http://www.nannohi.jp/

十二支(じゅうにし)

 十二支も十干と同じく、いつの時代にできたかはっきりしませんが、十干よりも古く、すでに殷(いん)の時代には使われていたとも言われます。

十二支も、十干のように一年の草木の成長の過程を表わします。

(し)  旧暦の十一月。子は孳(ふえる・しげるの意味)で、新しい生命が種子の中で活動し始める様子を表してい
      

ます。 
(ちゅう)旧暦の十二月。丑は紐(ひも・からむの意味)で、萌芽が種子の中に生じて、まだ十分に伸びていない様子
       を表しています。

(いん) 旧暦の一月。寅は?(いん・うごくの意味)で、草木が春の初めに発生する状態を表わしています。

(ぼう) 旧暦の二月。卯は茂(しげるの意味)または冒(おおうの意味)で、草木が発生して地面をおおうようになっ
       た状態を表わします。
 

(しん) 旧暦の三月。辰は振(ふるう・ととのうの意味)で、雷が振るえ、草木 の形が整って活力が旺盛になった状
       態を表わします。

(し)  旧暦の四月。巳は已(い・やむの意味)で、草木が一番の盛りの時期をむかえたことを表します。

(ご)  旧暦の五月。午は忤(ご・つきあたる・さからうの意味)草木が一番の盛りの時期を過ぎ、衰退のしてきたこ
       とを表しています。  

(び)  旧暦の六月。未は味(あじの意味)で、草木の果実が成熟して味を生じ た様子を表しています。

(しん) 旧暦の七月。申は呻(しん・うめくの意味)で、草木の果実が成熟して締め付けられ固まっていく様子を表し
       ています。

(ゆう) 旧暦の八月。酉は(【糸偏に酉・しゅう】・ちじむの意味)で、草木の果実が成熟の極みに達した様子を表して
       います。

(じゅつ)旧暦の九月。戌は滅(めつ・ほろぶ・きるの意味)で、草木が枯れてい く様子を表しています。

(がい) 旧暦の十月。亥は?。とざすの意味)で、草木がすでに朽ち、生命の力が種子の中に閉ざされている様子を
       あらわしています。

十干(じっかん)

十干のそれぞれの語は、草木の発生、繁茂、成熟、などの過程を十段階に分けて名づけられたものです。

 甲はもともとよろい・かぶとの意味です。草木の種子をおおう厚い皮のこと。

 乙は、もともと軋(あつ)を語源としており、草木の芽が未だ自由に伸びず、屈曲している状
   態を表わしています。

 丙はもともと炳(へい・あきらかの意味)をその語源としており、草木が伸張して、その姿が
   現れ出た状態を示しています。

 丁は、もともと丁壮(壮年の男子の意味)と同意で、草木の姿が充実した状態を表わしてい
   ます。

 戊(ぼ)はもともと茂(しげる)をその語源とし、草木が繁茂して盛大となった状態を示します。
 己(き)は、もともと紀(すじの意味)をその語源とし、草木が繁茂して盛大となり、さらに最
   高の状態を表わします。

 庚(こう)は、もともと更(あらたまるの意味)と同語で、草木が成熟して行き詰った結果、自
   ら新しいものに改まっていこうと
する状態を表わしています。 

 辛(しん)は、もともと新(あたらしいの意味)と同語で、草木が枯れて、新しくなろうとする状
   態を表わしています。

 壬(じん)はもともと妊(はらむの意味)を語源としており、草木の種子の内部に、さらに新し
   いものがはらまれる状態を表わしています。

 癸(き)は、もともと揆(はかるの意味)を語源としており、草木の内部にはらまれたものが、
   次第に形作られて、その長さを測
ることができるほどになった状態を表わしています。

十干・十二支は、もともと草木の成長の過程をあらわしています。