外から飛んでくる毒矢は防ぐすべがあっても、内からくる毒矢は防ぐすべが
ない。
貪(むさぼ)りと怒り(瞋)と愚かさと高ぶりとは、四つの毒矢にもたとえられる
様々な病を起こすものである。
心に貪(むさぼ)りと怒りと愚かさがあるときは、口には偽りと無駄口と悪口と
二枚舌を使い、身には殺生と盗みとよこしまな愛欲を犯すようになる。
意の三つ、口の四つ、身の三つ、これらを十悪という。
知りながらも偽りを言うようになれば、どんな悪事をも犯すようになる。
悪いことをするから、偽りを言わなければならないようになり、
偽りを言うようになるから、平気で悪いことをするようになる。
【仏教聖典 90ページ】