また、この世には三種の人がある。岩に刻んだ文字のような人と、砂に書いた

文字のような人と、水に書いた文字のような人である。

 

 岩に刻んだ文字のような人とは、しばしば腹を立てて、その怒りを長く続け、

怒りが、刻み込んだ文字のように消えることのない人を言う。

 

 砂に書いたような人とは、しばしば腹を立てるが、その怒りが、砂に書いた文字

のように、速やかに消え去る人を指す。

 

 水に書いたような人とは、水の上に文字を書いても、流れて形にならないように

、他人の悪口や不快な言葉を聞いても、少しも心に跡を留めることもなく、

温和な気の満ちている人のことを言う。



【仏教聖典 92ページ】







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